めざすものconcept
日本では人口減少と高齢化が進み2040年には認知症の人が高齢者の15%、全国で584万人になると予想されています。近所のスーパーやコンビニ、スポーツジムや公園、交通機関にいたるまで、あらゆる場面で認知症の人と地域で生活を共にする社会が間もなく訪れます。地域の人々が認知症のことを理解して、認知症の人が心から安心して過ごせる地域を作ること。それはさまざまな立場のみなさんにも安心感や活力をもたらすのではないでしょうか。
2023年に成立した「認知症基本法」は、認知症の人が尊厳を保ち希望を持って生活を送れることを目指す法律で、当事者の家族も安心して暮らせる環境整備、地域づくりを目指して、教育、雇用、保健、医療、福祉などの分野が連携しながら総合的に取り組むことが今後の課題です。こうした考えを「かたち」にするため、2023年に認知症サポートグループONBOARDを設立しました。
高齢期に入っても、認知症になっても、豊かに暮らせる地域を一緒に作りませんか。
とりくみactivity
認知症マフ
ワークショップ
2016年、ONBOARD理事長の山本は、認知症フレンドリーコミュニティー(認知症の人にやさしい地域づくり)の視察で訪れたイギリス北部の町ブラッドフォードでTwiddle Muff(トウィドゥル・マフ)と出会いました。一目見た瞬間、「これを地域福祉活動に役立てよう!」と決心し、Twiddle Muffを「認知症マフ」と名付けて2018年から普及を目指すワークショップを始めました。
翌年にはONBOARDの理事でもあるニット作家の能勢マユミさんがワークショップの講師に加わり、これまでに大阪市、広島市、山形県鶴岡市、静岡県浜松市など、全国10カ所以上でワークショップを開催しています。
ONBOARDでは認知症マフのさらなる普及を目指して、能勢さんがデザインした認知症マフの製作方法と、山本による認知症の基礎知識や認知症マフを使った地域活動の事例を学ぶプログラムを企画しました。ワークショップ開催のご相談はメール・電話でお問い合わせください。
プロフィール
profile
ONBOARD理事長
山本 雅彦(社会福祉士)
1984年朝日新聞社入社。写真部長、徳島総局長を経て2014年から社会福祉法人 朝日新聞厚生文化事業団大阪事務所長を務め2022年に退職。厚生文化事業団では「認知症マフワークショップ」や、小学生が認知症を正しくわかりやすく学ぶ「認知症フレンドリーキッズ授業」を企画・立案。その他、認知症をテーマにした講演会や国際シンポジウムを多数開催し、2017年の京都、2020年のシンガポールで開催されたADI(国際アルツハイマー病協会)国際会議ではゲストスピーカーとして招かれる。亡くなった両親は認知症で介護経験もある。